大学生の学力を診断する

4004307562 大学生の学力を診断する
戸瀬 信之 西村 和雄

岩波書店 2001-11
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タイトルは「学力」ですが、基本的には「数学力」。。いや、「算数力」っていった方がいいのかな。
学力試験のための問題(といっても、高校数学教科書の問・例題や、それ以下のレベル)を
行ったところ、日本で最難関クラスの大学でも正答率が好ましくない、という調査結果をもとにしてます。
例えば・・・「二次方程式の解の公式」を知ってるかどうか確かめるような問題で、
100%正答にはなっていない、という…。

で、この原因として叩き台にあげられてるのが、「ゆとり教育」。
はっきりって、ゆとり教育のいい話ってほとんど聞かないですよね(苦笑
ま、それはおいといて。
こういった教育の問題って、どこが悪いか、とか、端的に原因決めつけるのって結構難しい気もします。

ゆとり教育で言ったら、確かにそういう指導要領を作ってしまう政府にも問題はあるでしょう。
けど、そればっかりを責めないで、家庭・学校の方にも少し目を向ける必要はあると思います。
例えば「お受験」とか。子供が本当に学びたい、って思ってるなら別ですが、
無理矢理勉強させようとしてる家庭だって、ゼロじゃないと思います。
勉強の強制を全くするな、とは言えないけど、強制してばっかりというのも問題あるでしょう。
「義務教育」として存在する中学レベルまでは、文句言うのも大切だと思うけど、
そこから先は親の義務じゃないんだし。

「子供がいい仕事に就けるように」とか、そういう理由を言うかもしれないけど、
裏では「自分が老後、養ってもらうのが楽になるように」とか、考えてる人、いそうな気がします。
(少なくとも、自分だったらそう考えちゃいそうです。)
ある程度注意して、それでも勉強しないなら、後は自分の責任で、という。

学校側でも、指導要領・手引きにのっとった授業しかしてないような人、ゼロではないはず。
(ドラゴン桜からちょっと内容拝借。)
指導要領が悪いから、じゃなく、この場合、指導要領を「使う側」にも問題はあるだろう、と。

後は当然ながら、勉強する本人たちの意識。。。といっても、誰だって
勉強するのを面倒に思う気持ちは出てくると思うし、そこを上手くサポートしてあげるのが
大人の役目・・・とも言える気が。「勉強しろ」って怒ってばっかりじゃどうにもならないでしょうし。

また極論ばっかり出した気がしますが(ってか、最近極論増えてきたな、自分。。)、
でも実際そういう面あるとは思います。「学ぶ楽しみ」というか、「知的好奇心を満たす気持ち」
というか。そういうところを刺激しつつ、教育が進んでいくような体制が出来ていればいいと思います。

例えばアメリカとか例に出すと、社会科とかは教科書がない。学校ごと、先生ごとに
教える分野も内容も違ってくる。知識の詰め込み、っていうよりは、思想を教える、っていう
意味合いがあるんだろうと思います。教育理念がちょっと違う、っていう感じなのかな。

とはいえ、こんな体制に日本を持って行くのも、また無理な話でしょう・・・。
指導要領作ってる人たちが意見を変えられるかどうか、というのもあるし、
指導する側が面倒に思ったりしないか、というのもあるし・・
(「でもしか先生」の弊害、とでもいうか(苦笑

何とか教育の悪循環をスパッと断ち切るようなもの、出てこないでしょうかねぇ・・・。
(マインドマップとか学校で教えるようにする、とか。・・現にやってるところもあるらしいですが)

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思いつきでずらずら書いてしまった・・・^^;