42冊目:わかったつもり

わかったつもり という思い込み

4334033229 わかったつもり 読解力がつかない本当の原因
西林 克彦

光文社 2005-09-20
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「正しく読めた」という思い違いを防ぐ

本書が触れている「わかったつもり」とは、文字通り、わかったと思いこんでしまう状態。

ちなみに「わかった」という状態とは、部分間の関連性がついた状態、という意味です。

思い込みの種類に関しては省略しますが、その原因は
「文脈やスキーマの誤った適用」や「浅いわかり方で済ませてしまう」
という所にある、と筆者は述べています。

この「わかったつもり」を回避するには、やや逆説的ですが

自分はわかったつもりになっている

という事を認識しておくという必要性があります。

理解度の変化としては、

まったくわからない→(*)少しわかる(わかったつもり)→少し深くわかる→(*)

というような段階を経ます。ある意味、終わりのないループとも言えます。
しかし、繰り返すことで理解が深まっていくことも確かです。

「少しわかった」という段階になった時、
「もう十分わかった」と考えるか、「まだわかっていないところがある」と見るか。

言い換えれば、

一読した段階の理解で満足してしまうか、
「理解の中に矛盾はないか?」「もっとしっかり分かりたいところは?」
など、疑問点を突き詰めるように読み直すか。

このような態度の違いが、最終的な理解度にも現れてしまうようです。

疑問点を少々。

・「深く読む事が大切」とは言うが、どこまで深読みするべきか。
内容的に整合性がとれているかどうかを基準とする、と筆者は述べているが、
整合していればどこまで勝手に掘り下げても問題はないのだろうか。

・場合によっては、書き手が気をつけることで分かりやすくすることもできるのでは。
主述関係や修飾語のつけ方を変えるだけで、見やすくなる事もありそうだが。

・・・さて、「わかったつもり」を打破するために、また読んでみようかな(苦笑

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