問題解決のための「社会技術」
問題解決のための「社会技術」―分野を超えた知の協働 堀井 秀之 中央公論新社 2004-03 |
SARSや医療問題のような社会的問題から、大学の講義がつまらない(笑)、
といった日常的な問題まで、その捉え方について。問題の本質が分かりにくい
理由を考察することから始まり、一般論から具体例へと分かりやすく展開されてます。
特に、その「解決のための技術」についてが重要なポイントだと思ってますが、
一言で言ってしまうと「数学的な見方ができるか?」ということではないでしょうか。
ここでいう「数学的な」とは、公式を丸暗記して解くようなものではなく、
「自分で考えて」解けるか?という意味です。本来なら、そういった数学的思考が
どれだけできるかを確認できるような試験も大切だと思うのですが、どうしても
「丸暗記」で済ませられるような試験になりがちです。(特に定期テストなど)
問題解決の技術を身につけるために重要なことは、実は学校教育での理系科目の
扱い方にもあるのではないか、と思えます。欧米の教育では例題演習が多いことに対し、
どちらかと言うと抽象論のみで詰め込むことが多いことも問題であるように感じます。
(もっとも、学習進度だけを考えれば、欧米で大学初年度レベルの数学まで、日本の
高校生は学んでいることになり、それはそれで利点でもあるのでしょうが…。)
実社会において大切なことは何か。
社会生活の基盤を身につけるための教育において、どのような学習をするべきなのか。
このような内容について、もう一度考え直すのも大切なのではないでしょうか。
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