12冊目:読書について
役に立つ読書、役に立たない読書。
いつの時代も変わらず・・・?
読書について 他二篇 ショウペンハウエル Arthur Schopenhauer 斎藤 忍随 岩波書店 1983-01 |
ショウペンハウエルの『読書について』、および『思索』と『著作と文体』をまとめた1冊。
本自体は薄いので、一気に読んでしまうこともできますが…中身はかなり厚いです。
この本で最も気になったのが、表紙にも抜粋されていた次の文。
読書とは他人にものを考えてもらうことである。
1日を多読に費やす勤勉な人間はしだいに自分でものを考える力を失ってゆく。
つまり、「考える」のではなく、「教わる」事に終始してしまう、ということ。
これを避けるためにはどうするか、というと・・・「できるだけ読まずに済ませよ」と。
言い換えれば、「悪書を避けなさい」ということです。
当然といえば当然なのですが、これは今のような情報化時代にも言えます。
むしろ、情報が溢れているからこそ、「選別すること」が大切になるでしょう。
参考までに、この本で書かれていた「良書を読むために悪書を避ける」方法は・・・
多数の読者がそのつどむさぼり読むものに、
我遅れじとばかり、手を出さないことである。
だそうです。
要するに、「ベストセラーだからといって安易に飛びつくな」と。
「ベストセラー=悪」と単純に結びつけるわけではありません。(ここ重要。
ただ、周りに流されることを続けてしまっていては、本当の「良書」に出会うことは難しくなります。
Aさんにとっての良書が、Bさんにとっての良書とは限りませんから。
全く読まずに判断するのは難しいだろうから、
まずは手にとって、パラパラ見てみる必要はあるでしょう。
でも、それで何かピンと来るものが得られないなら、それでおしまいに・・と。
「みんなが読んでるから自分も」という考えから一歩抜け出して、
「自分が読むものを最終的に決めるのは自分」と意識してみると、見方が変わってくるかもしれません。
あとはもちろん、「考えて」「自分で表現する」ことも忘れずに…というところですね。
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