18冊目:「脳」整理法
二つの「知」のバランス。
「脳」整理法 茂木 健一郎 筑摩書房 2005-09-05 |
今まで脳に関する講義を受けたこともあるため、それと関連するような話は結構読みやすかったです。
ただ、全体を通して言うならば、脳科学の入門とみるよりも
「日々の生活における脳の使われ方」に焦点を当てたもの、と言えるでしょう。
人間の知には「生活知」と「世界知」の二つがあり、
前者は「一人称」で「生きるため」の知、後者は「生とは切り離され」て「世界を見渡す」ための知。
どちらが大事とか、どちらが重要か、と言うわけではなく、「どちらも大切」であり、
その関係性をきちんと把握する必要がある、と。
「偶有生」という生活知特有(というか、世界知を考える上では無視される部分)に対する
接し方を通して、一つの生きる知恵を提示しています。
やや「生活知」寄りの話が多く書かれている気もしますが、
この辺は『99.9%は仮説』(今読んでます)とかに近い所もあると思います。
科学によって全てが解明されるべきか否か…なんていうのも、悩ましいところですね。
病気などの障害に対しては、それを解決する策を得るためにも詳しく知りたい。
不安な将来は、出来ることなら無くしたい。
そう思うのは誰も同じだと思います。
でも、
仮に、自分の人生が全て見通せてしまったら・・・
今後何が起きるか、全てが予見できてしまったら・・・
不安はないけど期待感もない。
・・・なんか楽しくないですよね、そんな世界も。
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