40冊目:ウェブ進化論

インターネット世界の今後

4480062858 ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
梅田 望夫

筑摩書房 2006-02-07
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Web2.0の世界

WWWがTim Berners-Leeによって提唱されてから10数年。
通信の高速化、検索技術の進歩などを経て、新たな潮流がやってきています。

本書は次世代Webとでも言える「Web2.0」についてまとめられた1冊です。
「Web2.0」は、一言でいうなら、「利用者が能動的な表現者となれる世界」。

ブログやSNSなど、ユーザーが表現できる場所が増えた事で、情報量が今まで以上に増大しています。
これによって、以前は気にとめられなかったような、
しかもそれでいて有益な情報に対する注目が増え始めています。

注目点

Web2.0を語るために大切な、
「三大潮流」と「三大法則」を、筆者は次のように定義します。

三大潮流:
1.オープンソース
2.チープ革命
3.インターネット

三大法則:
1.神の視点からの世界理解
2.ネット上に作った人間の分身がカネを稼いでくれる新しい経済圏
3.消えて失われていったはずの価値の集積

「三大潮流」は技術的な物が進歩していく側面、
「三大法則」はWeb世界の特徴を示した物、と見ることもできます。

能動的コンテンツに向けて

現在、ブログなどでは「タグ付け」という作業がよく行われています。
一つの記事に対して、「キーワードを設定する」というものも、
広い意味ではタグ付けと考えることもできます。

このようなタグ付けを通し、
検索効率を上げていくことが大きな目的の一つにあるわけですが、
むやみやたらとタグだけが増えた場合、逆に収集がつかなくなる恐れもあります。

特に問題となるのは「同義語」の判断。

簡単な物では「表記揺れ」がありますが、概念的なものを表現する場合、
人によって用いる単語が変わってしまうこともあり得ます。

タグの体系化作業のように、ある程度「秩序」を作り上げないと、
整理されたWeb世界を目指すはずが、逆にカオス化してしまう恐れもあるのでは。

いわば、玉石混淆
万人にとっての「玉」もあるでしょうが、
人によって評価が割れるものも多くあります。

このような「各自の判断によって異なる」玉と石をどう判別するか。

難しいところではありますが、
有効利用をするためには、避けて通ることのできない道でしょう。

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