ネット社会、集団行動の行く末(ウェブ炎上)

読書マインドマップ:ウェブ炎上

荻上式BLOGのchikiさんによる「ウェブ炎上」読了。

炎上そのものについての考察というより、どのような仕組みで炎上が広がっていくか、どのような対応を取っていくべきかという部分に重きを置いた1冊となっています。サブタイトルにある「ネット群衆の暴走と可能性」という言葉の方が、内容を端的に示しているかも。

[tegaki] ウェブ社会 特徴理解し 「良く」使う [/tegaki]

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Webの特徴と接し方

Webの2大特徴として挙げられているのが、以下の二つ。

  • 可視化
  • つながり

Webを通じて、情報を見つけやすくなり、さらに不特定多数の人と繋がる事も容易になった、というわけです。この特徴と、さらにもう一つのキーワードになるのがサイバーカスケード。各人が自分の思うままに情報を集め、発信し、議論を重ねていくことでどうなるか…。

極論的な所に陥りやすくなる、というのがその答え。これがポジティブな結果として現れてくれれば嬉しいですが、ネガティブな結果になることも当然あります。

しかも、ネガティブな方が印象に残りやすく、メディアなども喜んで取り上げてしまうので、結果としてよくない効力ばかりが目立ってしまうというのが現状です。集合知によって、問題が解決する事もネットの世界ではよくあることです。…ですが、マイナスの局面ばかりが目立ってしまうため、その良さがかき消されてしまう…ちょっと悲しいですよね。

どのように接する?

こうすればOK!…という決定打はありませんが、

  • ウェブ社会の特徴と構造を理解する
  • 自分と異なる意見が存在することも認める
  • 自分を主張しすぎない

といった辺りが打開策でしょうか…。一部のユーザだけでなく、ウェブ社会に暮らす人間として1人1人がその意味を考えていく必要がありそうです。

創造のタネ

突然ですが、MiAU(Movements for the Internet Active Users)という組織は聞いたことがあるでしょうか。「ダウンロードの違法化」が話題になったことで発足に至った組織で、

利用者がより創造的に活動でき、そして技術自身が発展できるような環境。
既存のシステムを守るための制度が、技術の発展を制限しない環境。

といった目的のために活動をしています。

「ウェブ炎上」を読みながらふと思ったのが、ダウンロード違法化に対する議論の行く末。これもなんとなく両極端の意見が強化されるだけになりそうで、ちょっと不安です…。二つの団体が意見をぶつけ合うだけではなく、周りの人たち(=国民全体)が参加していく必要性は大きいと思います。

ウェブ社会における法律(というか環境)がどのように整備されていくか。専門家だけでなく、多くの意見を集めていくことが大切でしょうね。

ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性 (ちくま新書 683)
ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性 (ちくま新書 683)

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編集後記

日曜を半分犠牲にすることで、どうにか体調復帰。…これで無理すると危ないので、今日は少し様子見しておきます…。