事故を見つめる(事故と心理)
「事故」と「安全」のお話です。23/200冊目。
[tegaki]事故発生 3つの視点で 分析を[/tegaki]
事故分析の手法:新しい枠組み
事故を分析する手法として、修論でも用いたm-SHELモデルや4M-4Eモデルなどがあります。本書ではこれに変わる物として、三項枠組みが提唱されています。これは、一つの事故を
- 情報
- 行動
- 社会統計
という3つの視点から見つめ直すというもの。m-SHELや4M4Eは人や環境といった要因に着目していたのに対し、三項枠組みはそれぞれの要因が何を意味するかに注目する分析であると思います。これまではいかに細かく分類・分析していくかに焦点が絞られていたため、見方を変えるという意味では効果的だと思います。
安全は経営の問題
本書は交通事故からの分析を主に行っていますが、最後の部分で少しだけ別な問題にも触れられています。そこで言われていることは、「安全は経営の問題である」「リーダーシップが決定的であるか」という、経営の問題。事故が発生するシステムを大きく見つめていけば、「企業」や「プロジェクト」という大システムの経営にも問題があり得る、ということです。
特に日本では、事故が発生すると「当事者」「責任者」を追求しようという動きが出てしまいがちです。誰が起こしたかも大事ですが、それ以前に「なぜ起きたか」を深く追求する事が大切ですよね。
- 事故と心理―なぜ事故に好かれてしまうのか
- 吉田 信彌
- ASIN: 4121018591
- [新書]
- 価格: ¥ 861
- 中央公論新社
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編集後記
読書の際にフォトリーディングのステップを取り入れてみました。効果がどれだけ出るかは、やってみてのお楽しみ、と。
ディスカッション
コメント一覧
こんにちは!
経営の問題というのは、もっともですね。
日本は、犯人探しに大半の時間が費やされ、根本的な対策としたり、
情報のフィードバックや、再発防止に対する責任感が、
欠落していますね。
問題が大きければ大きいほど、それは、最終トップの責任でなければ、
その会社は、いずれ、市場から撤退さぜるおえなくなりますね。
淺田さんこんにちは。某大手自動車メーカーでは、
事故が発生しないように徹底的に行っています。
はっきりいって過剰すぎると思うほどに神経質に行っているんですね。
設備による事故は人災だという認識。
また殺人だという認識がそうさせるのだと思います。
安全との闘いは永遠の課題ですね。
淺田さん、おはようございます。
日本の場合、事故の後の情報開示が遅いのではないかと。
今までと違い、CGMのような仕組みがある以上、隠し通せるものではないのですが。
コメントありがとうございます!
≫ ニタさん
>日本は、犯人探しに大半の時間が費やされ、根本的な対策としたり、
>情報のフィードバックや、再発防止に対する責任感が、
>欠落していますね。
この話もよく出ています。裁判などの関係もあって、どうしても犯人をつるし上げる必要が出てくるため、そうなってしまうようです。
本末転倒もいいところorz
≫ hikaruさん
規則が厳しいだけならまだいいですが、罰則が厳しくなるとまたJRの事故のようなものに結びつく恐れもありそうです…バランスが難しいですよね。
≫ smoothさん
最近はようやく情報が出てくるようになりましたが、不二家の不祥事などを見るとまだまだですよね~…。
こんにちは!一冊の本をマインドマップにまとめると、1分で要点が分かりますね。ブログで本を解説するのに、大変よい方法ですね。たいへん参考になりました。
フォト・リーディングの効果、いい結果がでたら、記事でご紹介下さい。
≫ パピヨン土方さん
ここ数日の新書はフォトリーディング使って読んでます。かかる時間は減っている気もするので、結果オーライでしょうか(笑)。
淺田さん、こんにちは。
私は以前、ソフトウェアの品質保証部門に所属していたので
「なぜ起きたのか」の追求には同意ですね。
フォトリーは自分で良いなぁと思ったらそれでOKだと思います。
これからも続けてみてください。
≫ LuckyUSさん
結局のところ、どんな分野でも「なぜ」をしっかり追求しないと、再発は防止できないのかもしれませんね^^;
>フォトリーは自分で良いなぁと思ったらそれでOKだと思います。
>これからも続けてみてください。
了解です!
とりあえずここ数日は何となくうまくいってる感があるので、もう少し続けてみます。