会計士×落語家×講談師:田中靖浩さんの出版記念講演会

数字は見るな!」や「絆」セミナーでお世話になった、田中靖浩さん。今回、「右脳でわかる! 会計力トレーニング」という本の出版記念講演会が行われました。ゲストの神田京子さんによる講談「田中靖浩伝」、立川志の吉さんによる落語「水屋の富」と合わせて、お金に関する人物伝などをお話してもらいました。

分度

ミスター会計力、二宮金次郎さんのお金に関する考え方。お金には「欲」があってよい、との事。ただし、貪欲に求め続けるのはNG。どこかで区切りをつけて、それ以上は無理に求めない、という精神が必要になってきます。ただ単に稼ぐ(お金のために稼ぐ)のではなく、稼いだお金をどう使うかも合わせて考えておく必要がありますよね。

会計

日本に簿記を持ち込んだ、福沢諭吉さんの言葉より。簿記を持ち込んだ諭吉さん、当の本人は細かい簿記のことを人任せで行い、できあがった物を見て全体を把握できる力があればよい、と自伝で語っていたそうです(これは「数字を見るな!」でも書かれています)。

実際にバランスシートなどを「作る」仕事に就くならいざ知らず、株式投資などを行うためには簿記はあまり重要ではなく、むしろ「読む」力が必要…というのが田中さんの持論です。

とらわれない

サモア酋長、ツイアビさんの自伝より。帝国主義の時代、自ら欧州を見て回り、植民地化をはねつけたツイアビさん。単に知識を増やすような生活ではなく、付き合い方など大切にする生活を追求した結果です。「心」や「感性」を大切にする生き方、情報が溢れる今だからこそ、余計に注意したい考え方ですね。

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最後に、「(いき)」。これは人物伝ではなく、田中さんが講談や落語に惹かれている理由です。「粋だねぇ」と思える、かっこよさともちょっと違う、英語ではうまく表せないような世界。二宮さんのいう「分度」ともつながってくるような感性だと思います。

と、こんな感じで有意義な時間を過ごしてきました。

編集後記

また来月、「絆」セミナーのように東京八重洲ホールでの講演会が行われます。今度のタイトルは「夢」。時間見つけて行ってきたいな。