博物館を知る:展示について(サイエンスコミュニケータ養成実践講座)

連日の講義録が続いていますが、隙を見て他のコンテンツも載せられるように頑張りますのでご容赦ください(汗)。

さて、今回は講義が二種類あったので、記事を分けます(二つ目の講義については時間と体力の都合で明日に)。一コマ目は博物館展示についての講義です。

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博物館に対する個々人のイメージ

まず初めに、「博物館」に対する受講生のもつイメージを率直に述べてみるところから始まりました。まさに十人十色という感じでしたが、いくつか書き出しておきます。

インパクトを与える

臨場感、大きさといったインパクトを与えやすいものや、シミュレータなどの体験・体感ものがある(記憶に残りやすい)というイメージ。

「博物館」としてまとまっている

距離や時間といった概念にとらわれず、一つの場所にまとまったものとして見ていくことができる。

いくつか問題点?

インパクトを与える事に特化しすぎると、その裏にあるメッセージが欠けてしまう展示されているコンテンツの中で、どこが重要かが一目で分かりづらい。一つの見方を押しつけ過ぎてしまうのもNG。

地球館と日本館の特徴

地球館と日本館、国立科学技術博物館にある二つの建物についての特徴。特に地球館に関しては、順路が特に決まっておらず、自分の見たいテーマに特化して見て回れる事が大きな特徴の一つとなっています。

一方の日本館も順路に関しては緩いですが、こちらは歴史を学ぶという観点が含まれているため、展示はある程度時系列に沿って並んでいるようです。

博物館見学

実際に二つの建物を見学してきました。解説講義に熱が入って、見学時間が少し短くなったのはお約束…。

実際に建物内を回ってみるのが実は初めてだったため、新鮮な感じで回ってくる事ができました。次回は少し時間をじっくりかけて、今回見られなかった部分も眺めてきたいな~と思います。

創造のタネ

地球館のなかでは科学技術について展示されているフロアを中心に見て回りましたが、その中で行われた解説で印象的だったものは、零戦やロケットに対するもの。単に技術的な側面や一般的に(教科書的に)扱われる側面以外にも、科学を文化としてとらえる事で見えてくる部分がいくつもあります。

サイエンスコミュニケータとして活動していくにあたっては、教科書通りのような知識だけでなく、その背後にある深い部分についても学んでいく必要があると思います。また、ここで文化としてと書きましたが、文化は文明と違い、個人個人にとって異なるもの…という見方もできます。

そう考えると、ある一つの事例(零戦、冥王星問題、etc)を語る場合でも、その背景にあるものをどう読み取り、どう伝えて行くかに関してはコミュニケータごとに変化があってもよいのかもしれません。

ただ単に「知識」を伝えていくだけなら機械に任せてしまえばよいわけで、そこにどのような感情・その人が伝える意義が込められるかが腕の見せ所なのかもしれません(込めすぎはマズイかもれませんが)。

編集後記

先日の創造のタネで「Web上でのコミュニティ」について触れてみましたが、他にも同じように考えていた方が多数いらっしゃったようで…mixiコミュニティ設置&独自SNS設置&メーリス設置という3つが行われる事になりました。

議論がさらに活発化することを期待してみます。