定石とインサイトの使い方:第28回ジェイカレッジ(御立尚資さん)

第28回ジェイカレッジに参加して、御立さんの講演をお聞きしてきました。今回は150人強の大規模なセミナーとなりましたが…これだけの人数が集まる理由も頷けるような内容でした。文明と文化の話から始まり、戦略脳に必要な二つの要素、定石とインサイトについて、具体例を豊富に交えてのお話となりました。

東大生ブログランキングに参加中!
東大生ブログランキング

文明と文化

イントロとして、ルネッサンス期や紀元前、11世紀前後の芸術作品の比較を通して、文明と文化の違い的なものに触れていました。文明によって、人はある意味で「楽」をしてしまうようになるが、一方で文化とは、一人一人に根付いている価値観的なものであって大きく異なる、と。

戦略脳を鍛える:導入編

まずは導入として、戦略とは何か。堅苦しく言えば、「ありたい姿から現状を引く」事で見えてくるものですが、今回はもっと簡単に、「ケンカの仕方」ととらえます。いかにして自分の得意な土俵で戦うか。定石は必要ではあるが、それだけでは通用しない世界。

そんな「戦略」とは、定石インサイトから成り立ちます。

戦略脳を鍛える:定石(コンセプト)

まず一つ目は定石。「守・破・離」で言えば守の部分。突飛な発想をしようにも、まずは定石となる部分を理解していなければアイデアの出しようがありません。

ここでは必須コンセプトとして、以下の5つが触れられました。

  1. コスト
  2. 顧客
  3. 構造
  4. 競争パターン
  5. 組織能力

この必須コンセプトとは、「ちょっとややこしい構造を一言でまとめた」もの。「電車」という言葉を知っていれば一言で済むけれど、知らないと説明がやたらと長くなってしまう…そういうものがこのコンセプトです。プログラミングの世界例えていうなら、デザインパターンのようなものでしょうか。

ここでは具体的事例として、Web2.0世界とビジネスについてのお話、などがありました。

戦略脳を鍛える:インサイト

続けて、インサイト。特に重要なのがレンズ、いわゆる「色眼鏡」です。物の見方を色々変えてみることができるかどうかが分かれ道という事になります。

特にレンズの種類としては、大きく分けて

  1. 拡散
  2. フォーカス
  3. ヒネリ

という3パターンがあります。一つの物事に対し、よりマクロに見るか、ミクロに見るか、そもそも角度を変えて考えるか、というお話です。ブルーオーシャンのお話など、具体例がここでも盛りだくさんでした。

最後に:日本企業とルネッサンス

最後のまとめとして、今の日本企業にルネッサンスが必要という話。海外の成功事例を単にマネしていくのではなく、戦略脳を使った独自の視点からの切り口を持ってビジネスを行っていく必要がある、という事です。

第28回ジェイカレッジ:御立尚資さん

おまけ:松山さん応援会

実は終了後の懇親会が、松山さんのサプライズパーティーも兼ねていました。9月より新天地へ向かう松山さんを送るために、これまで講演をいただいた講師の方々をお招きしたり、ムービーを作成したり…感動のひとときとなりました。

創造のタネ

視点を変えてみる事、というのは発想訓練などでよく使いますよね。アイデアマラソンで「つまようじの使い道」なんていうテーマから膨らませていくのとも似たようなものがあります。普段から色々な視点で物事を見つめ、考えることは大変ではありますが…そこで逃げてしまうと、結果として困難な道に入り込んでしまうことになります。

当たり前になっている事=楽である

苦しいときは上り坂、楽なときは下り坂…なんていう例え話もありますが、少し苦しいと思っても発想訓練をして、様々な視点を持てるようになっていくことが確かな成長につながっていくんでしょうね。

編集後記

さて、今日からサイエンスコミュニケータ養成実践講座が開始です。90分講義は久しぶりですが、マインドマップを描きつつ、しっかり学んできたいと思います!

勉強の様子はブログでも公開していきますので、お楽しみに。