21世紀型科学教育の創造V(キャリアを拓く科学教育):2日目
「21世紀型科学教育の創造V」、2日目は基調講演とグループディスカッション。ディスカッションは「科学系人材育成におけるキャリア教育・企業が求めるポスドク像」「科学系博物館が行なうキャリア教育」「学校におけるキャリア教育・サイエンスコミュニケータのキャリア教育」という3つのグループがあり、僕は「学校におけるキャリア教育・サイエンスコミュニケータのキャリア教育」に参加してきました。
グループディスカッション
グループディスカッションでは、特に「メディアを通して情報発信、コミュニケーションする」という立場で必要となる能力について議論しました。Webや本、TV、ラジオなど様々なメディアはありますが、プッシュ式かプル式か…あるいは、主観が入るか否か(ジャーナリスト的かライター的か)…と、自分の立場によってもそのスキルは変わってきます。
- ジャーナリスト
- 正確な情報に加え、自分の意見を発信。幅広い視野も必要。
- ライター
- 他人の意見を的確に伝える。その意向を読みとる能力や正確に書く力が必要。
大雑把に分けるとこんな感じに。サイエンスコミュニケータがジャーナリスト寄りになるかライター寄りになるかは、人それぞれの考えに依存しますが…個人的にはジャーナリスト的な立場で活動できればいいな、と思ってます。
まとめの段階ではサイエンスコミュニケータは一種のクリエイターである、なんて意見も出てきました。
全体的に時間が足りなかったのが心残り…。というか、ちょっと短すぎます。
基調講演より
基調講演も複数個あったのですが、最後の講演が特に印象深かったです。内容は、「専門知と社会性」。大学院、特に博士課程終了後のキャリアについてのお話。
一言でいうなら、「専門の勉強だけでなく、社会リテラシー的な物も身につける必要がある」ということ。学会(学会誌、ジャーナル)の文化によって科学の正確性が守られる一方、タコツボ化(タコツボスパイラル)が発生しているのが現状。
この状況を打破するには、専門的な知恵以外に科学における社会リテラシーが必要になる、ということです。具体的には以下の4つが挙げられていました。
- メタレベルの知識(科学史、科学哲学など)、STS
- 非専門家に対する説明力、自己相対化
- 不確実性への対処、予防原則
- 専門家の質の判断、勤勉性
科学の負の側面も隠さずに伝えるようにする、なんてのも「社会リテラシー」の一種。
研究とリテラシー、うまくバランスをとれるようにしたいものです。
創造のタネ
科学技術に限らず、「タコツボ化した文化」の中にいると
- 利点:その文化をしっかり守ることができる
- 欠点:外が見えなくなる
という特徴が出てきます。自分の行っている普段の活動に関しても、気づかないうちにタコツボ化していた…なんてことがあるかもしれません。たまには一歩引いて、広い視点で見渡すことも重要ですよね。
編集後記
なんだかんだで土日も出かけてたわけで…少し疲れがたまってきました・・。
ディスカッション
コメント一覧
ジャーナリストとライターの差異がはじめてわかりました。
何だかむずかしそうなお話・・・ 😯
コメントありがとうございます!
≫ イヴォンヌさん
ちょっと堅苦しいお話になってしまいましたね^^;
雑誌とかニュースを見るときも、ジャーナリスト型かライター型か(書き手の意見か、他人の意見か)を注意して見ると面白いですよ(笑