知的生産の技術
知的生産の技術 梅棹 忠夫 岩波書店 1969-07 |
初版は1969年・・・ざっと35年ほど前の本です。
ですが、少なくとも半分以上は今の時代でも通じる意見です。
若干時代のギャップを感じてしまうのは、タイプライターの話など、
「書くためのツール」についての部分。まぁ、これは仕方ないでしょう。
道具そのものは時代とともに代わってしまうものでしょうし…。
逆に、知識詰め込みがた教育に対する批判、情報活用法のあり方については、
当時と比較して情報がますます溢れかえっている今だからこそ、より有用に
扱うことができる内容でしょう。
あと、もう一つ思ったのは、なぜ活用技術を教えないか、という理由。
これはもしかすると、「目は口ほどにものを言う」などにも表れている、
「暗黙知」を重んじるような風潮が影響しているのではないでしょうか。
「全てを1から10まで教えてしまっては、自分で考える力が身につかない、
だから言葉で教えるのではなく、自分で考えて実行できるようにするんだ」
という趣旨の意見も、間違ってはいないと思います。ただ、ここで重要なのは、
「1~3くらいまで、一番の基礎的な部分は提示する必要があるんじゃないのか」
ということです。どこまで教えて、どこからは個人の考える力に任せる必要があるか、
その境界線を一意に決めることは確かに難しいです。けれど、どちらか両極端の
立場をとることだけは、避ける必要があると思います。
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