103冊目:「超」読解力
「理解して読む」ための教科書。
「超」読解力 三上 直之 講談社 2005-11-21 |
「超」とタイトルにはありますが、きわめて単純明快な内容。
読解力(受験で言われるようなものじゃなく、もっと広い目で見た場合でのもの)を考える上で、
最も大切になってくるのが「トポス」という概念だと思います。
要するに、読解において(さらにはそこからの議論を進める際にも)、
ある一定の技術と言えるものが「存在する」のであって、それは勘とはまったく違う、と。
論理展開に関する理解と、「バランスの取れた先入観」。
後者はやや逆説的な響きしてますが、
「相手の言ってることを真っ向から否定するな」
というように理解してます。
「近現代のトポス」とか本になったら・・・って、分厚くなりすぎるかな(苦笑
「日本の論点」とか、それに近いものもあるような気はしますが。
さて、話は変わって。
こういうの読んでると、また教育問題どうのこうの、といいたくなってしまうわけで・・・(苦笑
著者も少し触れていたので、その部分をちょっと引用してみます。
先入観を排除して、書かれていることを正しく読み取るには、それなりの訓練が必要です。
ところが、学校国語のカリキュラムには、残念ながらこうしたトレーニングはほとんど組み込まれていません。
・・・ええ、しごくごもっともです。
心情を読み取る、とか、そういう観点からの読解が多いんですよね。
自分の意見としては、それを完全に排除してしまえ、とまでは言いません。
でも、例えば一年間に扱っている教材のうち、小説を一個くらい削ったとしても、
それほど教育内容に差が出るとは思いません。
そうやって少し時間を作って、その時間で論理力、とか、話のテーマ、とか・・そういうものを
指導する時間にあてるのも、ありなんじゃないでしょうか。
実際やられていない理由・・・。
もしかして、「教えられる人がいないから」ではないか・・とか、思っちゃったり。
最後の最後にくだらない余談。
トポス(議論のタネ)とポトス(観葉植物)を勘違いしそうになった人がここにいます σ(´・ω・`)
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