国立科学博物館でのディスカバリートーク(サイエンスコミュニケータ養成実践講座)

サイエンスコミュニケータ養成実践講座での発表実習をしてきました。今回の発表の趣旨は、「自分の研究分野についてお客さんに伝える」という観点からのトークを行うというものになっています。

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追加の条件

24人の受講生は4グループに分かれて、それぞれ担当の先生によって指導されながら発表を作り上げることになりました。僕の所属していたグループでは、できるだけ「展示を使って話す」ということを重視。

その理由としては、

  • どんな展示であったとしても、自分の研究につなごうとすればつながる。
  • PowerPointの発表は便利だが、トラブルで使えなくなってしまうと無力。

といったことなどが挙がりました。

選んだ展示と発表内容

実はかなり紆余曲折があって、前日(いや、当日か)まで内容の手直し連続でした(汗)。

当初は事故分析でお話しようかとも思ったのですが、M1の時に扱った社会シミュレーションを題材に扱おうと思い、ネットワークやコミュニケーション系のお話をすることに決定。

…しかし、どちらにしても「これ!」という展示が無いのは事実。電話機があれば

  1. 電話
  2. インターネット
  3. ネットワーク

という流れで持って行けそうだったのですが、電話ではなくFAXしか無い状態(苦笑)。さらに、ネットワークの細々したお話をするよりも「今ならSecond Life」ということで、テーマの視野をさらに広げてSecond Lifeを題材にお話することに。

…だんだん専門から離れてきております(汗)。

最終的な流れとしては、

  1. PCの歴史
  2. 計算が目的のPCから、目的が多様化
  3. ツールとしてのPCという立場を離れる
  4. 現実世界に浸透:その例がSecond Life
  5. セカンドライフでできること…
    • お話をする
    • ものを作る
    • 買い物をする
  6. PCの中に旅行できるような感覚

と、こんな感じの流れを使って、ネットワークが広がってきた世界において目立ってきたポイント・失われつつあるポイントについて提案するというスタイルをとってみました。

創造のタネ

今回のトークに込めたメッセージは、「一つの見方ではなく、複数の観点から物事を見ましょう」ということと、「何か失われてしまっているものがないか、何か気づかずに過ごしていることが無いか、日常の中でも注意してみましょう」ということ。

15分のお話で何か知識を伝えようとするよりも、物の見方・考え方を提案する方が役に立つかな~と思ったからです。

以下、当日にお話した内容の抜粋。

(ここから)

例えばSecond Lifeで「旅行」という例えを出しました。Second Lifeではボタンクリック一つでログインして、その中の世界でも自由自在にテレポートすることができます。一方、現実世界で旅行、例えば日本からアメリカに飛ぼうとしたら、飛行機で10数時間かけて行く必要があります。

時間が10時間も短縮されるなんて便利ですよね!・・・・と言いたいところですが、ちょっと待って下さい。

旅行の楽しみって、行った先だけのことだけではないですよね。車窓からの眺め、旅の途中での会話…そんな楽しみもあります。移動時間が0になるということは、この楽しみも一緒に失ってしまうことになります。

これをよしとするか悪いとするかは、僕は触れません。どちらがよいかは個人個人、みなさんの判断にゆだねるのが一番だと思うからです。

ですが、見方をちょっと変えるだけでこのような側面も見えてくるわけです。一般的に「便利だ」と思われている物事に対しても、見方を変えると色々な発見があると思いますので、ぜひ試してみて下さい。

(ここまで)

編集後記

とりあえず疲れは回復。今日も残り頑張るぞ、っと。