未来を創る、宇宙の視点(第33回ジェイカレッジ)

※2009-11-17 追記

セルカン氏についての経歴詐称問題に関して、色々とWebで流れています。まだ自分でも完全に把握はしていないのですが、研究内容その他に関しては関連情報等、確認しつつ取り扱っていただけたらと思います。

なお、今回のセミナーは経歴や研究内容うんぬんの話ではなく、あくまで「どんな視点を持つか」という話が主でしたし、こちらの記事はそのまま残しておこうと思います。

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第33回ジェイカレッジ:アニリール・セルカンさん

第33回のジェイカレッジ、講師は「タイムマシン」や「宇宙エレベータ」の著者、アニリール・セルカンさん。宇宙物理学者であり、トルコ人初のNASA宇宙飛行士候補でもあり、現在は東京大学でインフラフリーの研究をなされている…と、実に幅広い事を行っていらっしゃいます。

今回はセルカンさんに「宇宙の視点から見た時間と空間のとらえ方」というテーマでお話いただきました。

四つの「未来像」

セルカンさんの軸としてあるのは「未来志向」的な考え方。ということで、まず冒頭でお話されたのが「4つの未来像」。それぞれ簡単に紹介してみます。

エコトピア
いわゆる「エコ」を大切にしようとする動き。
スターウォーズ
スターウォーズで描かれるような世界。技術の発達には戦争も大きな意味を持ちます。
マッドマックス
こちらはスターウォーズとは逆(?)に、破滅を通してやや原始的な状態に回帰するといった考え方。
マトリクス
人間も情報世界の一分子になってしまう、といった見方。…これは結構、実現性が高そうです。

※「マトリクス」については、梅田望夫さん・茂木健一郎さんの「フューチャリスト宣言」でも似たような事が触れられていました。意思を持って一分子になる(=自分が全体を変えてやる、という意気込みで動く)か、単なる静的なパーツとして存在するかによって、人間としての存在意義も変わってきそうです。

「宇宙」の視点

一言でいうなら、「横から見ていた物を上から見下ろすように、さらには時間軸も考慮して、視点を変えてみる」ということ。今回の講演でポイントになる部分の一つです。地球温暖化、お金、WWW、ソーラーシステムといくつも例を挙げていただきましたが、ちょっと見方を変えてみるだけで大きく異なる示唆が得られるようになります。

「○○だから」という考え方を受け入れたとき、そこで思考停止してしまうか、「××という見方ならどうだろう」と切り返すことができるか。どちらがより広い視点になるかは…言わずもがなです。

真の「国際化」

国際化として英語の重要性が取り上げられる事は多いですが、「英語を話せる=国際化」ではありません。より重要となるのは、国境を越えた付き合い、人と人とのつながりを作り上げる事ができるかどうか。そして、未知の物に対して、ピュアな心で受け止める事ができるか否か。

このあたりが本当の意味での「国際化」に関わってきます。

「伝える」事も大切ですが、それ以前に「自分の中に落とし込む=Inputする」部分が失敗していては価値ある物が残せなくなってしまいますよね…。

創造のタネ

「三種の神器」と呼ばれる物があります。古代の日本でいえば「剣・鏡・曲玉」。戦後の日本では「洗濯機・テレビ・冷蔵庫」。さて…果たして100年後の日本ではどうなるか。

例えばこんな質問を考えることも、「未来を考える」「視点を変える」という訓練につながります。社会情勢や技術の進歩など、様々な分野に関する知識を広く必要としますが…一つの分野に凝り固まらない事の重要性は、色々なところで言われていますよね。今回のテーマでもある「宇宙の視点」、言い換えれば

[tegaki]物事を横断的に、未来も視野に入れて考察すること。[/tegaki]

このような思考が普段から行えるように訓練していきたいものです。

編集後記

今回のマインドマップ。某スタッフや某参加者に「地球」と言われましたが、地球に輪っかはありません(´・ω・`)