103冊目:「超」読解力

「理解して読む」ための教科書。

4062723476 「超」読解力
三上 直之

講談社 2005-11-21
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る by G-Tools

「超」とタイトルにはありますが、きわめて単純明快な内容。

読解力(受験で言われるようなものじゃなく、もっと広い目で見た場合でのもの)を考える上で、
最も大切になってくるのが「トポス」という概念だと思います。

要するに、読解において(さらにはそこからの議論を進める際にも)、
ある一定の技術と言えるものが「存在する」のであって、それは勘とはまったく違う、と。

論理展開に関する理解と、「バランスの取れた先入観」。

後者はやや逆説的な響きしてますが、
相手の言ってることを真っ向から否定するな
というように理解してます。

「近現代のトポス」とか本になったら・・・って、分厚くなりすぎるかな(苦笑
「日本の論点」とか、それに近いものもあるような気はしますが。

20051202.png

さて、話は変わって。
こういうの読んでると、また教育問題どうのこうの、といいたくなってしまうわけで・・・(苦笑

著者も少し触れていたので、その部分をちょっと引用してみます。

先入観を排除して、書かれていることを正しく読み取るには、それなりの訓練が必要です。
ところが、学校国語のカリキュラムには、残念ながらこうしたトレーニングはほとんど組み込まれていません。

・・・ええ、しごくごもっともです。

心情を読み取る、とか、そういう観点からの読解が多いんですよね。

自分の意見としては、それを完全に排除してしまえ、とまでは言いません。

でも、例えば一年間に扱っている教材のうち、小説を一個くらい削ったとしても、
それほど教育内容に差が出るとは思いません。

そうやって少し時間を作って、その時間で論理力、とか、話のテーマ、とか・・そういうものを
指導する時間にあてるのも、ありなんじゃないでしょうか。


実際やられていない理由・・・。

もしかして、「教えられる人がいないから」ではないか・・とか、思っちゃったり。


最後の最後にくだらない余談。

トポス(議論のタネ)とポトス(観葉植物)を勘違いしそうになった人がここにいます σ(´・ω・`)