使える弁証法 田坂広志(著)

変化をつかむ

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田坂 広志

東洋経済新報社 2005-11-25
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哲学的な見方

田坂さんの思考法の根幹をなす部分とも言えるであろう、弁証法ソフィアバンク・ラジオステーションにおいても、弁証法に関して語られた番組がいくつかあります。興味がある方は、そちらと併せるとより理解が深まるかも。

螺旋的発展を見抜く上で、一つ重要だと思った点は、「当たり前になったとき」を探るという事。ある物事が当たり前に感じられるくらい量が増え、普及したときが、質を求める方向への転換期だと述べられています。インターネットへの接続に関して言えば、今でこそ常時接続が一般的になりましたが、数年前は電話回線を用いてつなぐもの(=接続を続ければそれだけ課金されるもの)という認識がありました。Yahoo!BBは、その時期で既に料金(=質的なもの)にも力を注いだことが、注目を浴びた一つの要因だと思います。

量から質への転換期があるなら、それをさらに見越して行動する(量の競争をしている時点で、質の勝負も盛り込んでしまう)のも、一つの戦略と見ることができるかも。

「言われてみれば当たり前」と言えるかもしれない事でも、自分で気づけるか、相手に指摘されてから気づけるかでは大きな差が出てきます。変化を「自分で」見抜ける力を持つことが、一歩先をいくために必要となってきます。ドッグイヤー、あるいはマウスイヤー(今までの数倍~10数倍の速度で変化している様子)とも言われる世の中で、変化についていく、あるいは一歩先を行くために、こういった見方をしてみる事も重要になってくるでしょう。

句とマップ(クリックで拡大します)

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