1冊目(2006年):思考の整理学
情報の「拡散」と「収斂(しゅうれん)」。2つの連携による発想。
思考の整理学 外山 滋比古 筑摩書房 1986-04 |
文庫の初版が1986年。結構古いですが、前々から気になっていたので。
著者である外山さんの思考術を凝縮したような感じの1冊です。
学校での学習、ノート術、思考のアウトプット、など、
様々な内容がまとめられたエッセイになっています。
中でも「拡散と収斂」の部分が特に印象深かったので、その辺について。
「拡散」は、小論文ノートなど「答えが定まらない」もの。
対する「収斂」は、マークシートの問題など「答えが一つに定まる」もの。
パッと見て分かるとおり、この二つは相反するものです。
大切なことは、この二者は両方とも必要であり、片方だけでは思考の半分にすぎないということ。
例えば読書なら、
著者の言おうとしてることをしっかり理解しようとして読むのは「収斂的」。
新しい解釈を発見したり、何かのヒントを求めて読むのは「拡散的」。
収斂的な読書は内容に忠実に理解する必要があります。
一方、拡散的読書は「創造する」事ができれば成功。
もちろん、拡散的なものは混沌とした状態も生み出します。
むしろ、そうなるのが自然というくらい。
でも、混沌とした中からある一点に収斂していくものもあります。
初めから境界線を引いてしまうのではなく、
一度拡散を通ることで初めて収斂できる。
こういうのって、ブレインストーミングにもちょっと通じるところがありますね。
松山さんの「Webook of the Day」は、一冊の書評を
・本のひらめき
・僕の思いつき
という二部構成で行っています。
これも、前者は収斂的、後者は拡散的・・・と、
見事にバランスが取れているんだろうなあ。
・・・というか、この二つを混ぜてしまってはまずいんですよね、きっと・・・^^;
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