41冊目:科学者という仕事
「科学者」をさまざまな側面から見つめてみる
科学者という仕事―独創性はどのように生まれるか 酒井 邦嘉 中央公論新社 2006-04 |
先人の生き方から学ぶこと
サブタイトルは「独創性はどのように生まれるか」。
この点に関してのみ言えば、さすがに今まで色々読みまくった事もあり、
それほど目新しい内容に出会えたわけではありません。
「物事をふしぎと思うことが大切」などは、かなり使い古された文句でしょうし。
ですが、この本の内容はそれだけでありません。むしろおすすめなのは、
著名な研究者の名言、あるいは伝記的な物が数多く載せられている点。
相対性理論のアインシュタイン、
素粒子物理学の朝永振一郎など、多数のエピソードが紹介されています。
科学者としての生き方、研究の仕方などを学びながら、
気楽に科学の世界の扉を開くことができる内容になっています。
ざっと一読するだけでも、
目にとまる引用文などが見つかる・・・はず(笑
出典も詳しく載っているため、
メモしておいて何かの機会に引用するもよし、
語学勉強を兼ねて原書を読んで、一石二鳥するもよし、です。
研究者の「生きがい」と「仕事」
最後にちょっと視点を変えて、「生きがい」と「仕事」について思った事を軽く。
著者の言葉を、本書の最後から一部引用します。
確かに、一つ一つの論文は、科学全体の流れから見ればごくわずかな
一部分にすぎないかもしれない。しかし、大切なのは、常に新しい何かを
少しでも加えようと努力し続けることだろう。
既存の何かを改良する、まだ未発見の物を解明する、などなど。
今分かっている事に対し、一歩先まで踏み込んで、明らかにすること。
これが研究者としての「仕事」であり、発見する喜びが「生きがい」であると言えるのではないでしょうか。
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