サイエンスコミュニケーションとは(サイエンスコミュニケータ養成実践講座)

今日からしばらく、サイエンスコミュニケータ養成実践講座の講義録をメインに更新することになるかと思います。初回の講義内容は、サイエンスコミュニケーションの考え方や背景などについて。本講座が設置される事になった背景などの説明もありました。

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「双方向」コミュニケーション

サイエンスコミュニケーションで重要になってくるのが、この「双方向コミュニケーション」の考え方。ここでいう双方向とは、トップダウン式に知識を一方的に与えるだけではなく、考え方や理解力といった要素を勘案したコミュニケーションによって科学を伝えていく、ということを意味しています。

人々の意識と情報伝達の場

理科に関するアンケート調査の結果などから判断すると、

  • 理科に対する知識は大切
  • 分かりやすく説明されたら理解できる
  • 分かりやすい情報が少ない
  • (受動的な集め方しかしていない)

といった要素があります。特に最後の受動的な集め方、という部分が少々問題で…一般にはTVやラジオ、あるいは新聞といったメディアからの情報収集がメインであるのに対し、科学者はシンポジウムのような会を開いて伝達しようとする、という…そもそもの伝達方法の違いがあります。

どう伝えるか?

分かりやすく伝えるのがいいか、といえば必ずしもYESにはなりません。場合によっては、かみ砕くことで本質が見えなくなってしまうことも…。また、教えること自体が義務化されてしまうと、やや押しつけ的になってしまいます。透明性情報公開対話といったキーワードを意識しておく必要があります。

特に「書く」こと、すなわちサイエンスライティングによる伝達については、また後日講義がありますのでその際に(さっそく宿題もでました)。

創造のタネ

科学を伝えていくにあたって、どのような「場」で伝えていくかを考えることは、相手の立場にしっかりと立って伝えていくことができるか、ということも関わってきます。半ば義務的に、やっつけ仕事的にやるだけでは、逆に科学を遠ざけてしまうことにもなりがちです。

「聞き手に科学を好きになってもらおう」という事をメインに考えるのではなく、まずは「聞き手に感心を持ってもらおう」というレベルで伝えていくのが第一歩です。このブログでの活動も、そこにつながっていけるようにしてみたいものです。

編集後記

今日は午前中に一コマ、午後は研究室。以外と交通費もかかったりします(苦笑)