ブとタのあいだ 小泉吉宏(著)

100冊倶楽部のMOSO会議で紹介してきた本です。17/200冊目。

そのまんま

4840118078 ブとタのあいだ
小泉 吉宏

メディアファクトリー 2007-02
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心を安らかに

以前に紹介した「ブタのふところ」に続く、「ブッタとシッタカブッタ」シリーズの最新刊。今回は4コマだけではなく、エッセイ+4コマという作りです。ちょっとマップにまとめづらかったので、3ヶ所ほど本文を引用しながら。

迷ったときどちらを選んでいいのか、選び方の基準を教えましょう。
どちらを選んでも正解。
もともと正解なんてないんだから。自分にとって損得で選んだとしたら、それは人生を損か得かだけで判断することになる。人生って損得だけで幸福と不幸は量れない。

どちらを選ぶにしても(あるいは、選ばないとしても)、その先の道のりはそれぞれ存在するし、他の道を選んだらどうなっていたか、なんてまったく分からない。「あのとき、あんな風にしてれば・・・」って思ったとしても、それが本当の正解だったかどうかも分からない(場合によってはもっとひどかったのかもしれない)。そんな曖昧なものだからこそ、正解はないし、選んだことそのものが正解

人生にはただ、そのまんまがある。
何かをしても、何かをしなくても、人生にはただ、そのまんまがある。
僕たちは、日々、刻々の体験を眺めるだけだ。そのまんまというのはそういうことだ。
そのまんまを体全体で感じたとき、僕たちには本当の自分と人生が見えてくる。

全体として、「そのまんま」でいいんだよ、というメッセージが溢れています。「こうあるべき」とか、重く考えるのではなく、ただありのままに受け入れる。悲しければ悲しい、楽しければ楽しい。そんな生き方を通して、自分を客観的に見つめ直すのも大切ですね。

昨日は死んだ時間
明日は生まれてない時間
今だけがただそのまんま

そのまんまの今を生きる。このあたり、田坂さんの「今を生き切る」という思想と同じですね。過去や未来に縛られず、「今」を生きる。人生観を考えたりするときは、この思想って共通して現れて来るのかもしれません。

29編の文章とマンガ。それぞれ平易であるけれども、奥が深いです。

最近はいろいろと立て続けに頑張ってたのもあって・・・疲れたり辛かったりするとき、こういう本を見てると癒されます。「無理して頑張りすぎる必要もないんだよな~」と考えさせてくれる一冊でした。

関連ブログ

句とマップ

[tegaki]「べき」じゃなく ただ、受け入れる そのまんま[/tegaki]

読書マップ:ブとタのあいだ

編集後記

少し疲れが取れてきた予感。今日も引き続き体を休めてみます^^;