テレビ報道の正しい見方
テレビ報道の正しい見方 草野 厚 PHP研究所 2000-10 |
「見返すことの困難さ」というテレビの特性を持ち出し、論じているのを見て思わず買いました。
前にもどこかで書いたけど、(録画でもしない限り)一度しか放送されない、という点を
逆手に取っている番組も多々あると思います。
報道内容の全てが誤りである、とは思わない(思いたくない)けど、この本で紹介されている
事例を読んでいると、改めて「作られた」報道内容の与える影響について考えさせられます。
「これは作られたものである」と分かった上でなら、
やや極論した内容を見たとしても誘導されることは少ないでしょう。
けれど、あたかもそれが真実であるかのように報道されていたら、
「作られたもの」と知らない人はその報道内容を信じ込んでしまうかもしれません。
そもそも、「作り上げたもの」ということを前面に出すことで
評価が著しく下がってしまうのであれば、それはそもそも内容ではなく、
そのドラマチックさに惹かれているだけで、報道番組としての特性は
失いかけているのではないでしょうか。
事実を伝えるための番組なのか、視聴者を求めたいための番組なのか。
内容そのものをとやかく言うつもりはないですが、せめてその姿勢だけは
正確に提示してほしい、という点はまったく同感です。
だまされてしまう視聴者の自覚が足りない、と言われたら確かに
間違いではないでしょうが、そもそもメディアとしての姿勢にも
問題があるのではないでしょうか。
重大なニュースを報道する際、同じインタビュー内容ばっかり繰り返して放送することが
多いのも、問題のある事だと思うのですが…どうでしょうか?
同じ意見を何度も何度も聞いていたら、そのうちそれが真実だと思い込む可能性も
あります。もっとも、賛成意見と反対意見を交互に放送するならば、繰り返したとしても
公平性は保たれると思うのですが…。
たとえば賛成派が90%、反対派が10%だとしても、
その意見はどちらも公平に扱う必要があるはずです。
(そもそも、この割合自体、情報ソースが公正かどうか分からない。)
でも、実際は……。
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