求められる科学技術コミュニケーションとは?(はじめよう!科学技術コミュニケーション)
北海道大学で行われている、科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)による著作。この養成ユニットは、国立科学博物館で行われているサイエンスコミュニケータ養成講座と同系統のものです。
※言葉を使い分けるのも面倒なので、科学技術コミュニケーター≒サイエンスコミュニケーター(SC)としておきます^^;
本書の後半は「コミュニケーションのための方法」が具体的に紹介されていますが、今回は「なぜ行うのか?」という本書の前半部分を中心に拾っておきます。
双方向のコミュニケーション
「コミュニケーション」という言葉が示すとおり、一方通行的な表現ではなく、専門家と非専門家、お互いに理解し合う、学び合うことが必要となります。
例えば、「専門家が非専門家に知識を伝えれば、科学技術を理解してもらえる」といった知識の押しつけ的な考え方はNG。もちろん知識を提供することは必要ですが、それと合わせて専門家側も現場の知識、価値観などを学ぶ必要があります。一方的に押しつけるだけでなく、相互に理解してこその「コミュニケーション」ですよね。
「伝える」大切さ
トランス・サイエンスと言われる、「科学に関わる問題であるけれど、科学だけでは答えられない問題」というものも増えてきています。社会とのあり方を問われるもの(原子力、医療、リスク問題など)は、その代表例と言えます。
サイエンスカフェでの対話から見つかる、新しい視点。実際に現場へ入る事で、初めて見えてくる課題。こうした場を、どうやって作り上げるか。専門家と非専門家が対話する場で、どのようなコンテンツを扱うか。
研究室の中で研究を進めることに加えて、これまではあまり重視されていなかった「伝える」ことにも注目が集まっている、というわけです。ジャーナリストとして伝える、ライターとして伝える、教育者として伝える…色々な形式はありますが、まずはこうした活動そのものに興味をもつ人(特に専門家の側)が増えることが第一歩、ですね。
SC活動用のブログ
SC活動の一環…ということで、「サイエンスコミュニケーションblog」を作ってみました。以前にもこっそり作ったり消したりしていたのですが(汗)、今度は腰を据えてしっかりと。
まだしっかりとは更新を行っていませんが、
- 科学技術に関する報道やニュース
- やや教科書的な内容
- 科学技術コミュニケーションの必要性
- 自身の扱っている研究
といったことをテーマにしていきます。コメントやTBもオープンにして、双方向メディアとして運営中です。
関連ブログ
- 科究者と科教者 – 書評 – はじめよう!科学技術コミュニケーション(by 404 Blog Not Found)
- Dan the Real Science Communicator(by 5号館のつぶやき)
- はじめよう!科学技術コミュニケーション(by のーん)
- 『はじめよう!科学技術コミュニケーション』(by さっぽろサイエンス観光マップの舞台裏)
この辺りのブログから、CoSTEPの雰囲気も見て取れるかと思います。
- はじめよう!科学技術コミュニケーション
- 北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット
- ASIN: 4779502233
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- 価格: ¥ 2,100
- ナカニシヤ出版
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編集後記
今週の木曜からはSCの後半がスタート。それまでに1,2回くらいはSCブログ書けるようにしたいなあ。
ディスカッション
コメント一覧
科学技術のコミュニケーションってのもおもしろそうですね!
何か気付きとかあったらわかりやすく解説していただけると興味を寄せる人も多くなりますよね♪
コメントありがとうございます!…2週間近くたってますがorz
≫ イヴォンヌさん
まだまだ「科学」に関しては知識の浅い部分も多いので、苦労することも多いですが…頑張っていきます〜! ❗
トラックバックをありがとうございました。
遅れまして・・・ 😥
CoSTEP3期を、無事に終えました。
修了後に何をやるのかで、これから忙しくならねばと思っております。
≫ chairoさん
3期終了、お疲れさまです!
…こちらはサイエンスカフェが明日に控えており、色々キツキツです^^;
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