メディアと科学報道(サイエンスコミュニケータ養成実践講座)

メディアと科学報道、広報について。前回までは国立天文台の方がお話してくださったので、研究する側からみた広報活動、でした。今回は新聞記者、すなわちメディア側から見た報道です。
この辺の話をまとめて聞いていると、裏の方のちょっとヤバメなお話もだんだん見えてくる感じです(苦笑)。

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ちょっと伏せるべき部分は伏せておいて、当たり障りの無いところを掲載しておきます。

メディア受けする書き方

やはりこういう項目は、外からよりも中からの方が分かります。

  • 「人」や「ドラマ」を扱う
  • 重要性は相対的(政高科低)
  • 専門家 < なんでも屋
  • わかりやすさが第一

物語力はここでも重要になってますね。専門家同士だったら、研究を深めて行くには事実を淡々と伝え合うのが楽な手段なのかもしれませんが…研究の面白さを伝えるには、それだけでは不十分ですよね。

科学報道で伝える理由

  • Inform:正しく伝える
  • Entertain:魅力を感じさせる
  • Tax-Payer consciousness:知る権利
  • Educate:より良く生きるための知識
  • Cultivate:好奇心を刺激
  • Improve:健やかな批判精神
  • Encourage:将来へのあこがれに

特にImproveの点は、ニセ科学などを考えるには重要です。頭ごなしに否定するのも、逆に何でもかんでも受け入れるのもNG。自分なりに正しさを考え、判断する事ができるようになる必要があります。そのための教育という面でも素材提供という面でも、科学報道は重要な位置を占める…という事になりますね。

科学技術コミュニケータ心得

  • アンテナを張る
  • 好奇心と共感力
  • 発信には責任も
  • 様々な視点から
  • Kiss(Keep it short and simple)
  • わかりやすさ の落とし穴

なんだか大半は「ブロガー心得」みたいな感じで普段から気を付けている所もありますね。…ブログも一種のメディアではあるし、似通ってくるのは当然とも言えますが。

最後の「わかりやすさの落とし穴」が一番陥りやすい所ですね。分かりやすくすることのトレードオフは、「正確さ」。かみ砕いたり表現を変えたりたとえを用いたりすることで、少しずつ最初の事実からズレ初めてきます。伝える相手に応じて報道内容を変える必要がある、というのは前回も書きましたが、どこを変え、その結果どのような事が生じ得るかという事も考える必要はあります。

創造のタネ

本文の後半でも書きましたが、「科学技術コミュニケータ心得」と「ブロガー心得」って、分野は違っても内容はかなり近いな~と感じています。結局は固定観念にとらわれず、読み手の事を考えた情報を伝えていくというあたりに集約されそうな予感。

科学技術系の報道を見たら、ブログで一言コメントを書いてみる…なんてやり方で訓練していくと、視野も広がるし練習にもなるし、さらにはそこから議論・意見交換などにも発展しそう。科学技術報道をまとめて紹介している「サイエンスポータル」なんてサイトもありますし、うまく活用していけたらいいと思います。

編集後記

Web系と科学系で面白そうな本を少し購入。読みあさってます。