学術文化としての科学を根付かせるための広報(サイエンスコミュニケータ養成実践講座)

更新遅れましたが…。広報・普及活動について扱った講義の第二回目、です。中盤は国立天文台での具体的事例紹介だったので、そこはちょっと省略してみます。

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国立天文台での命題

学術文化としての科学を日本に根付かせるために、国立天文台は何ができるのか?」

広報のターゲット

一般に「広報活動」といっても、その対象とする相手は様々です(ターゲッティング)。簡単に一覧にしてみると、次のようなものが挙がります。

  • 官僚
  • 学者や専門に学ぶ学生
  • アマチュアや愛好会
  • 周辺領域(惑星科学など)
  • 生涯学習施設向け(公開天文台など)
  • 学校教育
  • プレス・ジャーナリスト
  • 一般

このように、かなり広域に渡っています。当然、それぞれのセグメントごとに求める情報は違うわけで、官僚向けの情報をプレスに発信したりしても興味を持ってもらえないわけです。

伝える情報そのものは同じでも、どのように重きを置いて、どのように肉付けをしていくかは人それぞれで変わってきます。この辺が広報の難しいところでもあり、また面白いところでもあるんでしょうね。

広報活動を推進するために

広報に対する課題として、次の3つが提案されています。

  1. 研究者もコミュニケータスキルを身につける
  2. 新聞報道後、研究者自身も解説記事を書く
  3. サイエンスコミュニケータ全体で、文化としての科学を目指す

結局、どの講義でも「文化としての科学」が言われています。この内容については別講義で扱ったのでそちらで…。

創造のタネ

ちょっとターゲッティングの話が出ましたが、コミュニケーション能力以外に「マーケティング」についても少し触れておく方がいいような気がします。おそらく理系でマーケティングまで学ぶようなコースってめったにないと思うので…。

発信する側としてはボランティア的な活動でも動くことはできますが、それを受け入れてもらう側(メディアなど)からしてみれば興味の無いものはすべて却下、です。相手のニーズをうまく読みとって、それに沿った情報発信ができるような訓練も、少しずつやっていく必要がありますね。

今回の講座の後半では科学博物館にてプレゼンも行いますが、このときも対象となる相手に応じた話し方ができるようにしないと、いくら素晴らしい情報が含まれていても、結果はぼろぼろになってしまうような気がします…(汗)。

編集後記

久しぶりに少し体を休められそうな日となりました…今日は無理しないようにします。